「燕の旅」童話集


童話を書くきっかけは、『ドナ・ドナ』という曲を聴いてからでした。
♪On a wagon♪と始まるその歌に感銘を受け、辞書を引きつつ和訳しました。
初めは和訳詩をと、考えたのですが、物足りなさを感じて「童話」に仕上げました。

(一作だけのつもりが、気が付いたら七作品になりました。

仔牛の子守唄 くびをうなだれてかなしげにあるく子牛がいました。
冬の街角で わたしひとり、とりのこされてしまいました。
華やかな出発・惨めな終局 ホコリをかぶったトンガリぼうしをてらしています。
噴水のある公園で なぜかこきゅうもくるしく、ちょうじかんのそらはくつうです。
青春の囁き あおいそらにたったひとつしろいくもがうかぶ、いんしょうぶかいそらでした。
夕暮れの会話 たったひとつのしろいくもがなかまをさがしてただよっています。
この世の花 かみさまのおきめになられたひがちかづいていることを。

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