海の 夕陽
川に映える 夕陽
山の背を焦がす 夕陽
  俺の大好きなもの

雨に打たれる 紫陽花
七色に輝く 虹
雲をあなたにはこぶ 風
    俺の好きなもの

昇りくる太陽を背の 少女
朝の海辺の 少女
流れ着いた貝殻を見つめる 少女
       俺の大好きなもの

つば広の帽子をかぶる 女の子
二十歳の 女の子
紅いルージュの唇の 女の子
     俺の大嫌いなもの


緑々とした草の茂る土手に 独り少女が佇む
 水面に映える夕陽が 少女を射す

土手に独り佇む 少女の背に夕陽が宿る
 長く尾を引く大地に根ざす 少女の影

何を語りかけるでもなく 風の気ままに任せながら
 厳かに威厳を漂わせて 大地に根を張る大樹

或るときは 年老いた鳥の仮の宿となり
或るときは 活き活きとした若鳥の憩いの場となり
或るときは 働き者の蟻の雨宿り場となる

その大樹 いま 少女を手招きしている……