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「かえってきてほしいの!」 「……いや、君への愛の証しを見つけるまでは、 俺は その愛を、認めはしない」 「待っててくれ。必ず、 探し出してくるから」 「きっと、舟のない港に 舟を入れてみせるから」 |
=舟のない港= |
高らかに響け! 天使の声 ♪アヴイ・マリア♪ あなたを呼ぶ声 この川から あの家から その窓から 皆が 待っている。 さぁ、あなたのその声で 美しい声で ♪アヴイ・マリア♪ 歩き始めたミヨちゃんが あなたを呼んでいる。 ホラ、ヨチヨチ歩きで 通りまで 出てきた。 あなたの声を 求めて ♪アヴイ・マリア♪ 早く聞かせて 早く見せて! あなたの声を あなたの その白い 美しい 透きとおる姿を。 ♪アヴイ・マリア♪ ”あゝ My mother!” さぁ、天使達よ この子を 運んでおくれ。 この子の魂を。 この子の体は 引き受けた、Dr.Schuveitzerが。 ♪アヴイ・マリア♪ あの川を渡り あの屋根を越えて あの山を飛び あの雲に乗って・・・ 高らかに 鳴れ! 響け! ♪アヴイ・マリア♪ ♪アヴイ・マリア♪ ”あゝ My mother!” ・・・・・・ ”My momma!” ”My mom!” |
=アヴイ・マリア= |
”荒々しい瞬間の暴力が飲み込んでしまう。” そしてその飲み込まれた世界は、 誰も居ない浜辺でたった一人で泳いでいる私を、 もう一人の私が見ている所。 ”ぴかぴか光っているものは、一時の為に生まれたもの。 本当のものは、滅びることなく後世に伝わります。” 人間の愛とは、所詮前者のようなものでしょう。 彼は 幸せ者です。 私に殺された、唯その一点で、私の心に 私を知る人の心に いつまでも記憶されるのですから。後世にまで伝わるのですから、 たとえ記憶の片隅のことだとしても。 ”私が後世のことなぞかまっていたら だれが今の世の人を笑わせますか。” この世から 笑いという笑いが消え 哀しみという哀しみが消え去る ━ そう、「人でなしの国」 そしてそれが、「超人の国」でしょう 「Such is life,Will once more!」 |
=超人の国= |
神は、常にそばにいてくださる。 そして、正しき道へと導いてくださる。 しかし、愚かにも人間は それを、その手を邪険にはらい 己の、欲望のままに生きてしまう。 神は、いち度のあやまちを許してくださる。 神は、に度のあやまちを許してくださる。 神は、さん度のあやまちを許してくださる。 神は、よん度のあやまちを許してくださる。 神は、ご度のあやまちを許してくださる。 そして神は、六度目のあやまちを許してくださる。 なれど、あやまちを犯した人間は罰を受けねばならぬ 。 現世での罰をうけねばならぬ。 現世での罪は現世で清めねばならぬ。 “いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ” 獄界に行きたければ、それも良し。 獄界で罰をうけたくば、それも良し。 「おのれの罪深さは、おのれ自身が良く知るもの。 「ならばそれは、おのれの罰は、おのれが決めよ。 |
= 罪と罰 = |
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