多くの命を飲み込み
今もなおそびえ立ち
君臨する アルプス

アルピニストの挑戦は
途切れることなく続く

その厳しさ それは時として
暖かくアルピニストを迎える

朝日に映える万年雪を
踏みしめる靴音も軽やかに

“Win!”

そして次の瞬間
空虚しさがこみ上げる

“Next!”
=空 〜アルピニスト〜=






寒き夜
雪のシンシンと降り積もりし夜、
母の白き姿は、雪の中へと消え行き。
その姿、未だ瞼にありて消えず。
ただただ、むやみに泣きし赤子の我。
未だ幼き我、
偲びては涙をこぼす。

“星になりき”と、父の言う。
されど我、信ぜず。
この世に仏がござるなら、
是非にも母に、ひと目会ひたし。
“わが母よ、いずこに?”
父は泣きくずれ、
家人、我を抱きしめるなり。

春の到来。
されど、我が心に春は来ず。
幾歳か後、
我が母にも似た優しき人に
会えるらむ。
されど、やはり母は母。
あぁ、我が母よ、何処に!
=我が母よ、何処に!=






海辺の夕陽 川に映る夕陽 
そして 山の背を焦がす夕陽

うつくしい 花のささやき 
そして 雨に打たれる紫陽花

昇りくる太陽を背の少女 
朝の浜辺の少女

流れ着いた貝殻を見つめる少女 
波間で戯れる少女

窓辺でヒソヒソおしゃべりしてるのは 
だぁれ?

白い傘をさして 
きたの国からやってきたコビトさんたち

みんなの深い眠りの中へしのびこんで 
春を告げにまわります

どんなにかたい心のとびらも 
たやすく溶かしてしまいます

こんやだけ・・・
わたしに白い傘を貸してね
     
あのひとの窓辺に音もなく舞い降りて 
ひとばんじゅうあのひとの夢を 

守ってあげたいの・・
=少女の好きなもの=










君の白いうなじに ぼくの熱い接吻を
                     ・・・そっと触れてみたい

君の細い肩を 僕の溢れる愛で
                         ・・・抱いてみたい

明日には 別れる二人だね
              昨日を思い出すのは もうやめよう
 
                 
夜明けの 来ない二人だね
               夜を泣きはらすのは もうやめよう


夢につかれたこの僕に 何が言えるのさ
                    炎を燃やすこともできない

命につかれたこの僕に 何が言えるのさ
                    今日を嘆くこともできない

君が好きだから こそだよ 
                    君が 好きだからこそだよ
=ぶるう・ラヴ=


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