は 生きている

単なる流れではなく、生命を持ったものの集合体だ
 幾百万、幾千万、幾千億、いやそれ以上・・
人間の持つ数では 現しきれない程の集合体で 

川は流れている
川は 生きている

一つ一つのうねりの中に 人間の知らぬ 
異次元の喜怒哀楽を
充満させて 川は流れ続け 生きている

=川と少女=





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水面に映える 夕陽よ!
 お前は まるで生命あるように 語りかける

言葉を持たぬ 夕陽よ!
 私には 言葉しかないのに 語りかけてくる

空を見上げてみよう
 涙でぼやける景色に もう一度 尋ねてみよう

いつかお前は 消えていた もう水面には 何もない
 目映いばかりの お前の存在の証しが消えていた・・

待っていて くれ
 私も すぐに 消えていくから・・
=夕陽よ=





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緑々 とした草の茂る土手に 独り 少女が佇む
 水面に映える夕陽が 少女を射す

土手にひとり佇む 少女の背に夕陽が宿る
 長く尾を引く 大地に根ざす 少女の影

何を語りかけるでもなく 風の気ままに任せながら
 かに 威厳を漂わせて 大地に根を張る 大木

或る時は 年老いた鳥の 仮の宿となり
或る時は 活き活きとした若い鳥の 憩いの場となり
或る時は 働き者の蟻の 雨宿りを許す

今 少女を手招きしている・・
=少女=





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神の御前にぬかずき 私たち二人は 永遠の愛を
 固く信じ合い 誓い合います

花と花の間を その甘美な蜜を求めて 蜜蜂は飛び交う

夕陽の射る光に 花は背を向けてまでも
 その蜜を吸われんことを 望む花・・・少女
=神の御前に=





ふたりの海にお舟を浮かべ
輝く波間を見つめましょう

やさしい月の光が
ふたりの為に照らしてる

甘い恋の囁きが
風に乗って 流れてくる


ふたりの海にお舟を浮かべ
遠い島を見つめましょう

沖を走る大きな船が
ふたりの為に波を踊らす

甘い恋の囁きが
風に乗って 流れてくる

ふたりの海にお舟を浮かべ
恋する心を 歌いましょう

キラキラ星の輝きが
ふたりの為に増している

甘い恋の囁きが
風に乗って 流れてくる

=ふたりの為に=







と僕との間にあるものは

 た々゛・・・空間 何もない空間
 その虚しさが その寂しさが
 僕には耐えられない


君に僕の愛を伝える方法は ないものか

 もしそこに 障害物があったら
 ぶち壊して進む勇気も
 生まれてくるだろうに
=独り=





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お丶 神よ!

私はこれまで 十七年間というもの
(あなたにとっては 短い時でありましょうが)
あなたを毛ほどにも 恨めしく思ったことはありません

が 今日という今日は どうしても恨みに思わずには
いられないのです

とぼけないでください!
この間のハガキといい この手紙といい 一体あなたは・・
ぼくを どうしたいのですか?

あ丶 神よ!

私は決して 他人を恨みに思い続けたことはありません
えぇ これまで一度だって・・・
全て 己の不徳の為と 己を責め続けてきました

しかし今回の仕打ちは あんまりです・・・

あなたの愛を 期待してはいけないのですか?
あなたの愛を 欲してはいけないのですか?

アダムとイヴは 禁断の実を食したが為に・・・ 

楽園を追放されるのでしょうか このぼくも・・

あ丶 ジュリエットょ!

どうして私は この現代に生まれ出てしまったのか・・・
中世の貴族社会に生まれたからこそ
私はあれ程に 燃えたのだ

今の世では 軽佻浮薄のこの世では
何であれ程に 燃えられようか

あ丶 ジュリエットょ!

何か 答えておくれ 示しておくれ
=Oh God!=
                                                               
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