の 夕陽

川に映える 夕陽             
山の背を焦がす 夕陽          
           
 ー俺の 好きなもの
                        
                        
雨に打たれる 紫陽花

七色に輝く 虹

雲をあなたに運ぶ 風

 ー俺の 好きなもの


昇りくる太陽を背の 少女

朝の海辺の 少女

流れ着いた貝殻を見つめる 少女
           
 ー俺の 大好きなもの    
               
                        
二十歳の 女の子

 ー俺の 大嫌いなもの 
=壊れた玩具・=
                       
                    

淋しい夜が訪れて 心に霧がかかる時 いつも思う あの人を

初めて出逢った 夏の午後 あの日から 心に住みついた人

何も云えずにいたけれど あなたを想うだけで 倖せだった

言葉を交わすこともできずに 

た々゛見つめ合うだけの 一年でした

出逢った時と 同じ夏の日に あの人から 封一つ

 “好きょ”

ひと言 ありました

夏が過ぎ 木の葉が散る淋しい 秋の黄昏に

遠い町に行った と 風の便りに聞きました

ほんの少しの勇気が持てずに 一歩を踏み出せなかった僕

年上のあなた・・・大人のあなた・・・ 子どもの僕

                         ほろ苦い初恋でした

                                 =初恋=





$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§$§
好きだ

便箋の中央に
小さく ひと文字

机の上で
埃をかぶってる

幾度か封をして
そして開いて

あなたの知らぬところで
逡巡していた ぼく

そして明日
嫁ぐあなた

今日という今
また封をする

出すことのない
ラブレター
=出せなかったラヴレター=






好き、好き、好き、、、、、
何度でも言うよ 
好き、好き、好き、、、、、

星明かり 月明かり 
それを失ったとしても 
好き、好き、好き、、、、、

君の心から 
恋の炎が消えたとしても 
好き、好き、好き、、、、、
=好き、好き、好き=
                                                        



雪の降る夜は
早く寝てしまうのがもったいなくて
古い毛糸を 膝に抱いて
なにか やさしい物を
編みたくなるのです

・・・・・
窓辺で ヒソヒソ
おしゃべりしてるのは だれ?
白い傘をさして 東の国から
やってきた コビトさんたち・・

みんなの深い眠りの中へ
そっと 忍び込んで
春の訪れを告げて まわります
どんなに固い心の扉も
たやすく溶かしてしまいます

今宵 わたしにも
その白い傘を 貸して・・
あの人の窓辺に 音もなく舞い降りて
一晩中 あの人の夢を
守ってあげたいの・・
=雪の降る夜に=


poem next