黎 明 編  T


水たまりの中の青空が凍るのは 地上の全てが光を失うとき

新しい世界の生誕の日 ピサの斜塔は崩れ去る ━ 落日

そのナイルの川に水が溢れ 砂漠の地に花が競い咲くことだろう
 =愛・起こり=

                 

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シャンソンの流れるマロニエの並木道に 春の訪れ

コーヒーの香が漂う時代遅れのカフェに ロマンの花

恋人たちは今エッフェル塔の陰で 凍てついた太陽を見る
 
 =春の訪れ=

                    

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白馬に乗って見た夢は パリの空の下 

  そびえ立つエッフェル塔ー見上げたっけ
  いかめしい姿の凱旋門ー見下ろしたっけ
  時代遅れのマロニエの並木道ー見ていたっけ

白馬に乗って見た夢は パリの空の下 

  清く流れるセーヌ川 恋人の語らう裏町
  やせこけたのら猫の声ーニャーオ!
  真っ黒の髪茶色のー名付けて “ニケ”

白馬に乗って見た夢は ・・・

  目が覚めた少年の腕の中に ミケ猫一匹
                      ー贈り物
 =捧げる

                   

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花に飾られ 人々に見守られ お前は姿を現す

          長い階段のお前の心は 誰もが知っている
                          が 誰も語らない

                 浮浪者のボッペが 道行く人に
                “ボン・ジョルノ!” と声をかけた

            お前には 唯 その臭い尻を乗せただけ
     しかしそれでも お前の心は 誰もがよく知っていた

          だから 花は咲き乱れ 人々の心は明るい
          お前が居なくて 幸せの階段が断たれたら

                          若い恋人たちは
                どこで 愛を語り合う というのか

                  まったくお前は 素敵な奴だ!
=スペイン階段= 

                                                                 

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夜空に 星が一つ浮かぶ

    一筋 流れつつ消える

    その間 一秒

    “私以外の誰も見ていなかった”

 いやいや

 私の気付かぬ誰かが また私のように

    “誰も見ていなかった”

 と 呟いているだろう

そして

    “願いをかけていたら”

 と 呟いたことだろう
 =流れ星=
 
君の瞳 とてもきれいだネ!
心の中で つぶやいた。
でも、君には聞こえないだろう。


プラネタリウムの中で、
星座を見ずに 君を見てたboku。
キラキラと輝いてて まるで
恋してる瞳だったよ。

信じて いいのかい?
bokuに 恋してるって。

信じて いいのかい?
bokuだけの為に 輝いてるって。 
=bokuに…=