水たまりの中の青空が凍るのは 地上の全てが光を失うとき 新しい世界の生誕の日 ピサの斜塔は崩れ去る ━ 落日 その朝ナイルの川に水が溢れ 砂漠の地に花が競い咲くことだろう |
=愛・起こり= |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
.シャンソンの流れるマロニエの並木道に 春の訪れ コーヒーの香が漂う時代遅れのカフェに ロマンの花 恋人たちは今エッフェル塔の陰で 凍てついた太陽を見る |
=春の訪れ= |
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
白馬に乗って見た夢は パリの空の下 そびえ立つエッフェル塔ー見上げたっけ いかめしい姿の凱旋門ー見下ろしたっけ 時代遅れのマロニエの並木道ー見ていたっけ 白馬に乗って見た夢は パリの空の下 清く流れるセーヌ川 恋人の語らう裏町 やせこけたのら猫の声ーニャーオ! 真っ黒の髪茶色の瞳ー名付けて “ニケ” 白馬に乗って見た夢は ・・・ 目が覚めた少年の腕の中に ミケ猫一匹 ー贈り物 |
=捧げる詩= |
花に飾られ 人々に見守られ お前は姿を現す 長い階段のお前の心は 誰もが知っている が 誰も語らない 浮浪者のボッペが 道行く人に “ボン・ジョルノ!” と声をかけた お前には 唯 その臭い尻を乗せただけ しかしそれでも お前の心は 誰もがよく知っていた だから 花は咲き乱れ 人々の心は明るい お前が居なくて 幸せの階段が断たれたら 若い恋人たちは どこで 愛を語り合う というのか まったくお前は 素敵な奴だ! |
=階段= |
夜空に 星が一つ浮かぶ 一筋 流れつつ消える その間 一秒 “私以外の誰も見ていなかった” いやいや 私の気付かぬ誰かが また私のように “誰も見ていなかった” と 呟いているだろう そして “願いをかけていたら” と 呟いたことだろう |
=流れ星= |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
poem | next |