もし、許してもらえるなら、
 僕に、時を止める力を お与えください。

                 僕は、すぐさま時を止め、
                       テレビの中の
               マドンナの舞台に飛び乗り
                 彼女の手を握るでしょう

 そして・・・
 でも、だめなんです。

                  手を握ったとしても、
             彼女は、僕の手を握り返し
            きっと、踊り出すでしょう・・・

 お許し下さい。
 僕が馬鹿でした。
 彼女の方が、一枚上手でした。

        =駄洒落=









あぁ 君の名はサラ
    なぜに ぼくを呼ぶ

  月は天空に そして花は地に
  月は雲間に隠れ 花びらは散る
  鳥は空を飛び 虫は地を這う

  あぁ 僕の声は君に届かず
      僕の姿は君に見えず

あぁ 君の名はサラ
 なぜに 僕を呼ぶ

   空を飛ぶことの叶わぬ僕を
   叫ぶ声の届かぬ僕を

 今 知恵を得た
 今 力を得た
 電脳の力を借りて 僕は君を呼ぶ
             君を体感する

あぁ 君の名はサラ
    なぜに 僕を呼ぶ 
 
                                             =恋うる








恋人よ ありがとう
     ありがとう

  朝の口づけに目覚め 鳥のさえずりを 耳にする   
  こぼれる香りが 部屋中に漂う
  お前の入れたコーヒーを口にし 強い光りを歓ぶ        

                             
  いつまでもお前と過ごすこの歓び               
  激しい雨に打たれても 幸せだ               
  打ちひしがれた花が 大きく背伸び          
  虹を背にしたお前の 裸身が眩しい    
       
恋人よ ありがとう                             
     ありがとう  
                          
  夕べの口づけに疲れを癒し 虫たちの羽音を耳にする   
  溢れる生命の水が体に広がり 
  お前の鼓動を感じ 淡い光りを歓ぶ
                                           
  いつまでもお前と過ごすこの歓び
  闇が辺りを包んでも 幸せだ
  闇にとけ込む花が 小さくあくび
  淡い灯りの下 お前の裸身が眩しい                        

                                                   =蒼い性=










灰色が雲に、我見たり!
背筋も凍るが如くに
白き太陽

紫陽花の雨に打たれしその後で 花は咲きにけり
花が言葉の切なさよ
愛しき君は 涙をこぼす

飛び交う蝶にも 心はあらむ
蜜を吸われし 花とても
やむごとなき愛する人への 想いぞ哀しき

地に住む虫は数あれど中でも弱き 汝は蛙なりや
蛇に飲まれる それが為
短き生命ちを 花咲かす

“いかばかり 恋しくありけむ 我が背子よ”

口に出ししぞ 愛しかりける
吾が幸せは ひとつなる
閉じし瞼のその裏の 浮かびし君と語るとき

                                                   =愛しき君=







君に
  この国の住人になって欲しい、
  と思う。

  この私の湖に顔を映して欲しい、
  と、思う。

  だけど君には分からないだろう。

  いかに、時のスローなことか。
  私の声がが君の元に届くのに、
  どれだけの時が 費やされるのか。

私は
  君の全てを、花のどれにも感じる。

  君の瞳を、輝く星に見る。

  それは、心底、君を想う故
  心の底から、君を想う故・・

                                                                      =君を想いて=

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