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わたしの心を赤く染めて

水平線の向こうに

沈む夕陽

ふたりの重なる影を長く織り成して

甘く流れる汐風が

優しくふたりを包む


わたしの心を赤く染めて

水平線の向こうに

消える夕陽

ふたりの重なる影を永く織り成して

押し寄せる波が

砂の城を崩して行く


わたしの心を赤く染めて

水平線の向こうに

隠れる夕陽

ふたりの重なる影を熱く織り成して

生命ちの息吹きが

波涛に溢れ出る


赤い夕陽が波間に落ちて

わたしの恋は終わりました


誰かが言った

今なら引き返せる

でも

引き返すくらいなら

はじめから

レールに乗りはしない


恋の炎が 舞い上がり

そして今 舞い落ちる


わたしの恋に 終りが来たけれど

わたしの夏は まだ終わらない

= 煉 獄 =
  昨夜、夢を見た。


boku を

あざけり笑うがごとくに、

見も知らぬ男に

抱かれていた。


一糸まとわぬ姿で、

抱かれていた。


boku は、

黙って背を向けた。

boku は

声を殺して涙した。


意気地なしのboku を、

笑いたければ、

笑うがいい。


でも……、kimiは、だれ?

= 夢 =
 赤い夕陽が 僕を呼んでいる

   赤い炎の海に立ち

   眺めるあの島

   はるか 僕に囁く    

   燃えるあの島

   もう あの娘は戻らない

   淋しがりやの この僕を残して

   あの娘は行ってしまった

   あの 赤い夕陽の彼方に

 =Sun set=
 
分からない …もう 分からない……

トモダチ …さえも 異国語に聞こえる


どうしてこの世に 男と女?

どうしてそんな 区別を? 


なにかが音を立てて 崩れていった


ことばなんか 信じるもんか!

文字なんか くそくらえぃ だ!


なにかが音を立てて 崩れていった

 
=崩れる= 
 
荒涼たる砂漠に 一厘の花を捧げてくれた君

オアシスに映る 月影と共に捧げん 
love_you


淡く照らす京人形の灯りに 君の健康を祈って

はかない希望の灯りを まばたく星に重ねて

 
背伸びは 若者の悲しい特権

背伸びは 若者の悲しい特権


空にポツンと浮かぶお月様に君を見て、

おやすみ!と、投げキッス。


何も言いはしない、その内オレだって、

きっと忘れてしまう。

いや、忘れてみせる。
 
= 背伸び = 
 
夜空を焦がす紅蓮の炎

闇をつんざく青い稲妻

大地を引き裂く黒い咆哮


十七才の狂気に色塗られた夏

ほとばしる生命ちの言霊(ことだま)

飛び散る鮮血


海は凪いでいるのに

君の心は激しく逆巻いて

空の雲は雄大に流れているのに

君の心はささくれ立ってる

十七歳の夏


己を抑えることができずに

蒼い月の囁きに負けてしまい

白い闇の中に隠れた君を

思いっきり伸ばした手の先で掴んだ

十七歳の夏


「ごめんよ」

むなしく響く声に対して

無言のままに顔を背を向けた君を

また無理矢理に引きずり出した

十七歳の夏


「sayonara」

異国語で告げられた別れのことば

「!&$#%!」

返したつもりのkotobaが届かない

十七歳の夏


いまkimiは

どうしているだろうか……

 
               = 十七才の夏 =