雨が、上がった。
さぁ、出かけるぞぉ!

もう、ウンザリだったんだょ、部屋の中は。
燦々と輝く太陽の下に、飛び出したかったんだょ。

窓の外に目を見やると、
楽しげに、相合傘で歩く二人連れ。

”コンチクショー!”
いつも、そう思ってた。

ほらっ、太陽が出てるゾ!
ドアを、開けよう。


だめだょ、だめだ。
まだ、ぬかるみじゃないか。
泥んこに、なっちまう。

なぁに、もう少し待ってれば..、
道も、乾くさ。
ほんの少しの、辛抱さ。

もう、いいかな?
子供たちの、歓声だぁ。
みんな、大はしゃぎしてる。

だめだ、だめだょ。
陽射しが、強すぎるょ。
クラクラ、しちゃうょ。

なぁに、もう少し待ってれば..、
陽射しも、弱まるさ。
ほんの少しの、辛抱さ。


みんな、出て行った。
みんな、僕から離れていった。
望んでた事じゃないか!

自由気ままにしたいって、思ってた。
自分の時間が欲しいって、思ってた。

深夜のテレビだって、見放題さ。
インターネットだって、繋ぎ放題さ。

アダルトサイトだって、OKさ。
画面いっぱいにしたって、いいんだ。
音を大きくしたって、いいんだ。

・・・・・
なんだょ、何だってんだょ。
なんでこんなに、落ち込むんだ..

有り余るほどの時間があるっていうのに、
うるさい小言を聞かなくて済むって言うのに、
どうしたって、言うんだ。

胸が痛い..
息苦しい..

こんな筈じゃ、なかった。
自由って、こんなのかい。

声が、ない..
音が、ない..

さあ、もういいだろう。
外に、出かけよう。

何てこった!

また雨、じゃないか!
真っ暗!じゃないか
                             =雨が、上がった=


ナニモカタラズ、タゞモクモクト
ヒトリシズカニ シゴトヲコナシ
ダレニメイワクヲ カケルコトナク
シヤカイニヒタル コトモナク
タゞヒタスラニ オノレヲミガキ
オノレノミチヲ ツキススム
ツチニカエル ソノヒマデ

=ヒトリゴト=





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

クスリを5錠口に含み、水を一口流し込む。
更に5錠、又5錠、そして5錠・・、一気に水と共に飲み込む。

手首に充てられたナイフがすべる。
血管から流れ出る血!ドクドク・・、と耳に大きく響く。

台所のガス栓が緩められる。
シューッ!という噴出し音の中、二人の会話が始まる。

 “ほらっ、血がこんなに流れて、綺麗ぃ!”
 “シューッだってさ。ピュッピュッって、なんないの?”

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
=ピュッピュッ=


言い訳なんか、するな!
分かり合える時が、きっとくるって。
今は
どんなに+を積み上げても
0になりこそすれ、+にはならない。

“嘘も方便”
方便以上に なっちゃった。
沈黙を続けろ!
沈黙の後、誤解か否か わかるさ。

沈黙だ、ひたすらに沈黙だ。
なんてこった!
なんという欺瞞!
すべてに、我慢できない。
・・・できない?・・誰に?
・・・分かってる・・この俺にだ。
・・・ならば、良し!

バカヤロー!
死んじまえ!
くたばっちまえぃ!

本当に、人間嫌いになったのか?
なんで、疑うんだ?

嫉妬心?・・なのか・・・
猜疑心?・・と 言うべきか・・
=嫉妬=

それは紫色の 雨のふる朝
冷たい風に吹かれて
さ迷う落ち葉のように
わたしの恋は 破れたの
水たまりに映った わたしの影は
とても淋しい ものなのよ
=パープルレイン=


詩は、素敵なものであるべし。
詩は、美しいものであるべし。
詩は、感動を与えるものであるべし。

詩は、情感をこめるべし。
詩は、叙情を謳い上げるべし。
詩は、心を伝えるべし。
=詩は・・=
月さえ凍れる 蒼い夜
星の光りが 冴えわたる
舗道に映す 影の
その冷たさよ

後ろ姿に漂う
恋の終わりを告げる
枯れ葉の落ちる
季節が来たの
=恋の終わり=


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