今度の金曜日 逢いたいなあ 夜 泳いだことはある? 月明かりの中 水の妖精になってみないか? 夜の海は それはもう ロマンチックだぜ でも 内陸部のここでは それも詮ないこと 夜の川は 怖いし… 流水プールが 21:00まで営業中だとか 18:00 喫茶「メルヘン」 待ってるよ 水着姿に自信がない! って すっぽかさないでね |
なに やってんだ、まったくう。 俺って 男。吾ながら 嫌になっちゃうぜ! kazukoからの返事が来る前に、なにを言いだすんだ。 ばったり学校の廊下で会ったときに ドギマギしてえ。 「わりい ちょっと都合が悪くなったよ。また 今度ナ! 今度 埋め合わせするからさ」 だ なんて…… また 一歩退がっちゃった。 そんなだから あいつに先を越されるんだよ。 未だに 童貞だなんて、キモイぜ。 |
夏休みに入ってから、映画を観に行った。 どんな映画か…もちろん 純愛映画。 タイトルは …恥ずかしいから 内緒だ。 しっかし 驚いたあ! 偶然だろう と思うけど kazukoの妹に バッタリ! 仕組んだ訳じゃないと 思うけどなあ。あっちも よろしくやってるようだ。 なんか真面目そうな 中坊だった。制服姿 だったもんな。 俺なんか ハーフパンツにティーシャツ姿だ。 kazukoだって ミニスカートにティーシャツだから お似合いなんじゃないか? それにしても kazuko 意外に巨乳だ。 制服姿からは 想像もできねえや。 ひょっとして 水着姿 OKだったかあ? そんなことばっかり考えてたから 映画 見そこなった。 横目で チラリチラリ。 ハンカチで目頭を押さえたりしてたから 悲恋だったのか? だけど むっちりの太ももが気になって 気になって。 目ん玉が 疲れた。 あ〜あ、とうとう手を握ることが 出来ずだあ! 折角の 映画館だったのにィ。 しっかりしろょよまったく。 よし。この夏休みに、キメるゾォ! 来年には、卒業なんだぜ。 |
kazukoと 蛍狩りに出かけたんだよ。 俺の愛車=軽自動車で悪かったよお!=でだ。 「狭いよお!」なんて、ぶつくさ言いやがってえ。 バイトで買った車だ、文句あるんかよお。 親掛かりじゃないんだぞ、一円だって 援助無しだ! ガソリン代だって、自分持ちだ。そこらの甘ちゃんと、一緒にするなよなぁ。 えっ! め・ん・き・ょ……無免許だよ。悪かった、無免許だよお! 車の名義人? おじさんだよ。仕方ないだろうがあ、買えないんだからあ。 従兄が車を買い換えるときに、譲ってもらったんだよ。 大枚十五万円を払ったんだぜ。 六ヶ月分のバイト代が、パァだよ。 内緒だからね、これ。親にも、言ってないんだから。 運転? もちろん、安全運転だよ。スピードなんか、出せるわけないジャン! 捕まったら、アウト! だぜ。俺だけじゃなくて、従兄にも迷惑がかかるしさ。 事故ったりしたら、もう最悪! だろうがあ。 いくら俺でも、その位の常識は、わきまえてるよ。 マジに、内緒だよ。ホントだよ、頼むよ。 軽免許だけど、合格してんだよ。もうすぐもらえるんだよ。 (1952年に「軽乗用車運転免許」が新設され、16歳から取得することができました) そんでもって、ガンガン飛ばすんだ。エンジンが悲鳴を上げる位、飛ばすんだ。 もう、アクセル踏みっ放しでさ。スカッとするだろうなぁ。 |
とに角、星がスゴイんだよ。街中で見るのとは、まるで違うんだ。 空一面が、星でおおわれているって感じだ。感動物だよ、マジで。 しっかし、mugegawa なんて言う田舎は、真っ暗でやんの。 ああいうのを、〔漆黒の闇〕と言うのかなあ。 月が隠れると、なーんにも見えやしない。 まっ、それはそれで いいんだけどサ。 懐中電灯で足元を照らしながらサ、小川の縁を歩くんだよ。 月が出てる内は、ぼんやりだけど 辺りが見えるんだ。 けど、隠れると、大変なんだ。 懐中電灯で照らされた所しか、見えねえんだよ。 「あんまり縁を、歩かないようにね。崩れる時があるから」 「りょう、かい!」 言ってるそばから、危うく滑りかけた。 「うおっとお!」 「大丈夫う?」 kazukoに、助けられた。俺の体をしっかりと、抱き止めてくれてさあ。 ククク…、いい匂いだった。なんかこう、甘〜い匂いがした。 「電灯、消して!」 いたよ、いたあ!一匹、ぼんやりと光る蛍が。長草って言うのか? 細長い草の陰から、見え隠れしてる。なんとも、幻想的だった。 しゃがみ込んでね、暫く見とれてた。 で、ふっとkazukoの横顔を盗み見したら、すんげえ、可愛いの! それからはもう、蛍そっちのけで 見とれちゃった。 顔は蛍の方に、目んたまはkazukoに・・・。 もう、ドキドキものよ。ギュッ! と、抱きしめたくなった。 「カズちゃーん! 用意できたよおぉぉ!」 声がしなかったら、どうなったことやら。 |
kazukoの婆ちゃんが、呼びに来た。 湯たんぽみたいなもんの上で、肉をジューッ! 上手かったあ、マジで。なんの肉なんだろう? 牛かな、それとも、猪かっ? とに角、たらふく喰った。 「若い人の食べっぷりは、気持ちいいのお。たーんと、食べなんせえ」 どんどん、俺の前に並べてくれた。 「野菜も食べなきゃだめよ!」 kazukoのお節介がなかったら、どれだけ食べたやら。 太鼓腹になっちまったよ。お腹を叩いたら、ポンポン! って、いい音がした。 来た甲斐があったよ、一時間近く走らせたもんなあ。 段々淋しくなる道でサ、人家もまばらになって。ちょっと不安になったもんなあ。 ヘッドライトで照らされる所しか、見えないんだぜ。 カーブなんか、田んぼに落ちはしないかって、正直不安になった。 kazukoは、ナビゲーターよろしく指図するんだけど、直前になって言うもんだからさ、慌てふためくよ、こっちは。 「下手くそねえ! お父さん、スイスイよ!」って、ぬかしやがるし。 こっちは、初めての道なんだよ、全くう。 でもまあ、一段と近付いた感じだ。 |
なんだよお! なんだってんだお!!! な〜んかさ、最近、おかしいんだわ。 kazuko、俺のこと、避けてる感じなんだよなあ。 俺…、なんか悪いことしたか? わけ分けんねえよなあ! あん時の蛍狩りからさあ、……ああっ! まさか、大喰いしたこと…、 怒ってるう??? やっべえなあ、やっべえよなあ。 爺さんの飯まで、食っちまったもんなあ。 「しんぺえねえって、しんぺえねえ……」 笑ってたぜ、婆さん。kazukoは、膨れっ面してたけど。 |
やばかったあ! マジで、やばい! 少し控えようかなあ、夜のドライブ。まさか検問してるなんて、夢にも思わなかった。 俺を追い越した車のおかげだあ。 ムッ! ときたけど、抑えて正解だあ。 あの車が俺の後ろを走り続けてたら、間違いなく、俺が止められてた。 やばいジャン! そうなったら、アウトジャン! まだもらえてないんだよ、免許証。 無免許運転だってこと、バレちゃうジャン! 控えようっとお! |
暑っいぃぃぃ! 今日は、何度まで上がったあ!? 32度だって?! 嘘だろう、ぜってえ嘘だよ! そんな筈ないいい! 40度、超えてるってえ! 汗、だらだら、だぜえ。 女子なんか、…ククク、透けてやんのお! ククク、ブラが…。 masamiなんか、カッターのボタン外して、ククク…。 俺、見ちゃったもんネ。 教室の隅っこだからって、あんなことしちゃあ、ダメだヨ〜ン! masamiって、ククク、けっこう巨乳なんだ。はみ乳だぜえ。 ボョ〜ン! って、感じよ。 ホント、お得しちゃいましたあ。だっけど、驚いたねえ。 お乳の上に、汗が溜まってたんだよ。 それを拭いてさ、下敷きでもってパタパタあ。 kazukoも、あの位あるのかなあ…。 制服ん時は、そんなに大っきく見えないんだよなあ。 締め付けてるう? おいおい、かんべんしてくれよお。 つぶすなよなあ、ホントにィ。 俺が揉むまで、待っててくれよお。 |
ああ、もう! kazukoの奴、どうしたってんだよお、まったくう。 いつまで、俺のこと、無視するつもりだよお! 俺だって、我慢の限界だぞお! 何通手紙を書いたと思ってんだよ! ああ、くそムカツクー! しっかし、雨の奴、いい加減にしろよなあ。 やっと今朝上がったと思ったら、また降りだしやがってえ。 「持って行きなさいっ! 夕方にまた降るんだから」 おふくろの言うとおりジャン! それも、どしゃ降りだぜ。ああ、あ、まいったぜ。 と思いきや、何が幸いするか分かんねえなぁ。 裏玄関でため息ついてたら、俺の目の前に、kazukoが居やがんの。 「帰ろう…」 小っちゃな声で、うつむいてさあ。 「おせえんだよ。もっと早く来いよなあ!」 つい、悪態ついちゃったぜ。 「ごめんね…」 また小声だぜ。なんかさあ、こっちもさあ、小声になっちゃうんだよ。 「いいけどよお」 道々、話が続かないんだよ。 “うん、うん”ばっかでさ。 「kazuko! お前、おかしいぞお」 「ねえ、あたしのこと、好き?」 急に聞くんだよ。びっくり、だ。 「あっ、あたりまえジャンかあ」 |
kazukoの仲間内でさ、いろいろと話しするらしいんだよ。 何をって…、男の生理みたいなもんを、さ。 あんたらだってそうだろうがあ。“抱きてえ!”って、いつも考えてるだろうがあ。 俺もさ、kazukoと付き合いはじめて、三ヶ月ぐらいなんだよ。 そろそろ、キメたいわけよお。 ビシッ! といかなきゃ、カッコつかねえっしょ。 実はさ、内緒だけど、俺まだ○○なんだよ。いいじゃねえかあ! ちょっと遅れてるだけジャンか。だからあ、この夏休みに、……kazukoと… |
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