ねえねえ、誰だか、分かる? | |
なに、声を作ってるんだあ。 甘ったれた声なんか、出しやがって。 |
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そっかあ、やっぱ、分かっちゃうか。 へへへ…、元気してたあ? |
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元気してた、じゃねえだろうが。 音信不通なんかになりやがってえ! 今、どこに居んだよお? |
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社会 ━ いったい、なに? 会社 ━ いったい、なに? 人間 ━ いったい、なに? |
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そうだね、もう二年以上経つんだね。 nagoya でね、病院勤務してるの。 |
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ビョーインだあ? ビョーインって、看護婦の病院かよお? |
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そう! ナースになったの! | |
あっそう。 そりゃ、おめでとさん! |
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ねえねえ、逢いたいんだけどさ。 ヒマしてるでしょ? GWの連休は。 |
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馬鹿言うなよな、まったく。 デート、デートで、連日埋まってるよ。 |
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ウソだあ! ぜったい、ヒマしてるう! でないと、あたしが困るモン。 |
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なんだ、そりゃ。 お前が困るって、そんなもん、 俺には、カンケーねえジャン! |
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そう言うかなあ! 言い付けるぞ、おじさんに。 おじさんは、あたしの味方だかんネ。 |
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分かったよ、分かったよ。 | |
で、ね。 ついでだからさ、あの二人も呼んでよ。 どうせ三人で、 |
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ええっ! な、なんだよ。お前、どっちかに 連絡してないか? |
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そんなもん、分かるわよ。 ほんと、俺くんって、分かりやすい! |
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お前だけだよ、そんなこと言うのは。 | |
でねえ、そのときにさ、ひとり、女の子を 連れて行くからさ。 |
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おっ、いいねえ、いいねえ。 ひとりと言わず、三人でもいいぞ。 |
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カレと別れて落ち込んでる 慰めてやってほしいのよ、俺くんに。 |
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ええっ!? マ、マジかよ。 慰めるったって、 ど、どうなんだ…… |
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しっかし、俺の守備範囲も広いよな。 どこまで広がる? emiko の頼みだから、か? それとも、根っからのスケベ人間か? だけどよ、俺って、俳優になれるんじゃないか? なんでって、、演技がうまいジャン! 相手の欲するタイプに変身しちまうしよ。 親父の血を引いてる? いやいや。これって、やっぱ、本だよな。 自慢じゃないけど読んだ本の数はすげえぜ。 百とか二百なんて数じゃない。 もう一桁上に行ってるんじゃないか。 小学生のころから、図書館大好き人間だったもんな。 まっ、夢見ることは、 |
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で、で、どうなのよ!
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どうって、何がだよ。 | |
なんで、隠すのよお。話しなさいよ! | |
いや、だから、ナニをだよ。 | |
kazukoさんのことに決まってるでしょうが。 | |
ああ、あいつのことか。 nagoyaで、college_studentやってる。 |
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えぇえ! nagoyaなのお? で、つづいてるの? |
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ハハ…おかげさまで、終わりました。 あちらさんは、joshidaiseiさまだもんナ。 どうも、studen とは、相性が悪いみたいだ。 |
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そう、、そうなんだあ。 やっぱりね、そんな気がしてたんだ。 |
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で、そっちはどうなんだよ。 なんなら…… |
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うん、この間、結納をかわしたの。 すっごく緊張した。こんど、紹介するね。 JR勤務でね、転勤族。そろそろ、異動かもね。 |
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えっ!? そ、そうかっ。そりゃ、おめでと、さん! |
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うん、ありがとう。 で、俺くんは、その後も、いろいろの? あんまり広げすぎると、分からなくなるわよ。 それとも、今、そんな状態かな? |
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おっ、おう! 俺は、バリバリよ。 まだひとりに決める気はねえよ。 |
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そっかあ…… あいつも片付くのかあ…… しっかし、なんで分かるう? “広げすぎると、分からなくなるわよ”って。 そうなんだよな。 「好みのタイプは?」 答えられないんだよナ。 ―― 亜紀子 中学のときに作り上げた、女の子。 17歳で、 俺が白と言えば、黒って言いはる。 俺が右と言えば、左って言いはる。 そのくせ、甘えん坊で、泣き虫。 目がクリクリとしてて、 鼻は少し団子っ鼻。 んでもって、口は、口は…… ???…、浮かんでこねえぞ。 どんなだったっけ? やっべえ! |
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